風しんに関する追加対策が始まっています
● なぜ今 風しんが問題になっているのか
・風疹は風疹ウィルスによって起こる感染症で、かつては5年ごとに春先から初夏にかけて全国的に大規模な流行がみられていました。子供がかかってもそこまで重くなることはありませんが、大人がかかると症状が長く、重症になる傾向があります。
そして何よりも、妊婦に感染すると障害を持った赤ちゃんが産まれる可能性があるため、社会全体で予防することがとても大切になります。
・1995年からは全幼児に対して予防接種が始まり、徐々に流行は沈静化していきました。しかし、1995年以前はワクチン制度の紆余曲折があり、ワクチン接種率(特に男性)が低く、それに一致するように、1995年以前に生まれた方、特に男性の風疹ウィルスに対する抗体保有率は低いのが現状です(図1)。
・そのため、抗体保有率の低い成人世代を中心に風疹の流行がみられ、社会的問題になっているのです。
図1 (国立感染症研究所HPより;https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/2018/03/457r07f02.gif)
● どのような追加対策?
・2022年3月31日までの間に限り、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性(対象世代の男性)が風しんに係る定期の予防接種の対象者として追加されました。なぜならば、先ほど述べましたようにこの方たちは幼少期に風疹ワクチンを受ける機会がなかったからです(図2)。
・まずは抗体検査を実施し、抗体を持ってない方に対してワクチンを接種する制度です。
・風しんに一度かかると大部分は生涯風疹にかかることがない(=抗体を保有し続ける)ですが、かかったかどうかはっきりしない場合はまずは抗体検査を必ず受けましょう。
・また今回の追加対策以外に、従前よりある、妊娠をしている・希望する女性およびパートナーの方に対する助成制度もありますので、寝屋川市のホームページをご参照ください(寝屋川市HP)
図2 (厚生労働省HPより;https://www.mhlw.go.jp/content/000475804.pdf)
● 風しんはワクチンで防げる病気です
ワクチン接種率をあげ、抗体保有率をあげて社会全体で風しんに対する免疫を上げることで、風しんは防げる病気です。当院では随時、抗体検査、ワクチン接種を行っております。詳しくは来院時もしくはお電話でお問い合わせください。